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文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻1号

1988年01月発行

文献概要

研究と報告

言語障害(Dysphasic seizure)てんかん重積状態の1症例

著者: 佐藤圭子12 工藤達也1 八木和一1 清野昌一1

所属機関: 1国立療養所静岡東病院(てんかんセンター) 2岡山大学神経精神科

ページ範囲:P.91 - P.95

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 抄録 言語障害(dysphasic)を主徴とするてんかん重積状態の1例を報告した。24歳の男性で,15歳より,幻視,幻聴の信号症状が先行する強直間代発作が出現した。これとは別に同じ頃より幻聴と特異な言語障害を主たる症状とする単純部分発作が日に数回反復するようになった。入院中に,幻聴と言語障害を主徴とする発作が繰り返され,1〜2時間反復する重積状態も観察された。奇妙な言葉が幻聴として聞こえ,発作中には意味を持つようだが,発作後にはその意味を想起できない。また,発作性言語障害として,錯語,言語新作様の造語が観察された。さらに,次のような単一発作が反復する重積状態を閉鎖回路TV-EEG監視装置で記録した。単一発作の進展に伴い,錯語から言語新作様の造語と言語の崩壊が進行し,その時,発作時脳波は,徐波律動・広汎性の低振幅化から棘波律動を経て,不規則シータ波が現れるという経過を示した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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