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文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻10号

1988年10月発行

研究と報告

ヒステリー性もうろう状態において老婆の形姿もしくはSenilismを呈した1症例

著者: 三田俊夫1 酒井明夫1 橋本光彦1 斎藤弘一1 金森一郎1 切替辰哉1

所属機関: 1岩手医科大学神経精神科学教室

ページ範囲:P.1149 - P.1153

文献概要

 抄録 太古的,傍論理的,超越的な思考形式を背景として,原始意志的反応形式により発症したhysterical psychosisの1例を報告した。症例はその経過中にガンザー症状群を呈し,その際puerilismの代わりにsenilismとも呼べるような症状を示し,その概念規定は,(1)puerilismと同様ヒステリーの病態と密接な関連を持ち,(2)社会的弱者という老人の側面を体現することによって身体的,精神的両面での退行状態を表現するとともに,(3)知恵者もしくは賢者としての老人の側面を体現することによって,太古的心性を背景とする超越的な力を表現することであると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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