文献詳細
文献概要
紹介
フィリップ・ピネル—その故郷と生家
著者: 影山任佐1
所属機関: 1東京医科歯科大学難治疾患研究所社会医学部門(犯罪精神医学)
ページ範囲:P.1163 - P.1167
文献購入ページに移動 昨年(1987年)約10年ぶりにフランスを訪れた。Pinel18),Esquirol8)の著書を翻訳出版する計画があり,フランス再訪はこのための資料集めであった。今回の渡仏にあたって実は密かに期待していたことがあった。それはPinelの生涯を文字通り揺藍から墓場まで実際に訪ね,今度出版する本の口絵等の写真を撮影することであった。特に南仏のPinelの生家等はSemelaigne19,20)やChabbertら4〜7)の研究で紹介されているが,我が国では訪れた者もないように思われた。またPinel研究で知られ,彼の血筋でもあるSemelaigneによって生き生きと描かれた南仏のPlnelの故郷を訪れてみたいとの長年の夢を果たしたかった。またPinel当時,フランス革命からもちょうど200年になり,時期的にも節目にあたり,また精神医療の原点をPinelらの業績やその時代を通して振り返るという今日的課題も念頭にあった。
掲載誌情報