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文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻11号

1988年11月発行

シンポジウム 痴呆とパーキンソニズム

レビー小体病の痴呆

著者: 小阪憲司1

所属機関: 1東京都精神医学総合研究所神経病理研究室

ページ範囲:P.1253 - P.1261

文献概要

I.はじめに
 1980年,筆者31)は「レビー小体病」“Lewy Body Disease”を提唱した。これは一つの疾患概念であり,次のように要約される28)
 「主として初老期または老年期に(まれに若年者にも)発病し,慢性・進行性の経過をとる神経精神疾患であり,その基本症状はパーキンソン症状(振戦・筋固縮・寡動・仮面様顔貌・前屈姿勢・小刻み歩行・自律神経症状など)であるが,経過と共にしばしば抑うつ症状や種々の程度の知的能力の障害を伴い,明らかな痴呆を示すことも少なくない。症例によっては,進行性痴呆が臨床像の前景に立ち,その経過中にパーキンソン症状(主として筋固縮と寡動)が加わることもある。その神経病理学的特徴は,中枢神経系(ときに交感神経節)における広範・多数のレビー小体の出現とレビー小体の好発部位におけるabiotrophicな変性であるが,とくに痴呆が目立つ症例や高齢の症例では,大脳皮質に種々の程度の老人性変化(老人斑やアルツハイマー神経原線維変化)を伴うことが多い」。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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