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文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻12号

1988年12月発行

文献概要

研究と報告

自己意識から見た神経症とその周辺(第2報)—神経症化しやすい自己意識の偏りと性格傾向について

著者: 鍋田恭孝1 菅原健介2 片山信吾3 越川裕樹3

所属機関: 1藤田学園保健衛生大学医学部精神神経科 2東京都立大学院人文科学研究科心理学研究室 3慶応大学医学部精神神経学教室

ページ範囲:P.1297 - P.1304

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 抄録 第1報において,各種の神経症者には特徴的な自己意識の偏りが存在することを指摘し,また,他誌において自己意識に偏りを示すものには一定の性格傾向が見出だされることを報告した。そこで特定の自己意識の偏りと,それに伴う性格傾向を有する神経症者と健康者とを比較検討することで,そのような性格傾向(病前性格と言ってもよいが)が,病態発生の本質的な要因なのかどうか,もし,そうでないのなら,何が重要な要因なのかを検討した。その結果,特定の自己意識および性格傾向を有していても十分健康なものが存在しており,神経症化するためには,自らの性格傾向に対する自己嫌悪感,適応上の柔軟性のなさなどが,そのような性格傾向に伴うことが必要であることが確認できた。また,この種の神経症になりにくい性格というものが存在し,それが自分の生き方を明確にしている者たちであることも確認された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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