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文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻12号

1988年12月発行

研究と報告

分裂病類似の精神症状を呈した外国人の精神科救急症例

著者: 坂口正道1 梅津寛1 藤森英之2

所属機関: 1都立松沢病院精神科 2都立墨東病院神経科

ページ範囲:P.1323 - P.1332

文献概要

 抄録 昭和53年11月から昭和60年3月まで都立松沢病院の精神科救急外来を受診し,分裂病類似の精神症状を呈して入院となった外国人症例27例について報告した。症例は①観光—短期研修で来日し,発症契機が認められ,困惑—錯乱状態や攻撃—軽躁状態を主症状として,予後良好な反応性精神障害,②留学(一部結婚,転勤)などの目的で長期在日し,失業,孤立化などの状況下で精神運動興奮一錯乱状態や被害関係妄想を呈し,予後良好な非定型病像,③来日目的が種々で発病状況性に乏しく,緊張病性興奮や幻覚妄想状態を主とする予後不良の初発分裂病,④ほぼ同様に事例性に乏しく精神科治療歴を持ち,誇大的内容を含む幻覚妄想症状を示し,予後の一定しない再発分裂病,の4型に分類された。
 その他,社会医学的側面について若干のデータを提示し考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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