icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻12号

1988年12月発行

文献概要

研究と報告

季節性感情障害の1例—光パルス療法の試み

著者: 久住一郎12 浅野裕1 加沢鉄士13 林下忠行14

所属機関: 1市立室蘭総合病院祝津分院 2北海道大学医学部精神医学教室 3埼玉医科大学精神医学教室 4林下病院

ページ範囲:P.1333 - P.1338

文献購入ページに移動
 抄録 冬季に抑うつ気分,意欲減退,活動性低下,過眠,過食,糖質過剰摂取,体重増加が出現し,翌春に回復するパターンを繰り返した典型的な季節性感情障害の1症例を経験し,光パルス療法を試みた。
 入院後,病棟内治療室で,5,000lux白色光を用いて,午前6時から9時までの3時間,連日,光パルス療法を施行したところ,開始3日目から気分,意欲の改善,間食の減少,過眠の改善が認められ,1週間後にはほぼ寛解状態に達した。しかし,光パルス療法中止後4日目から再び抑うつ気分,意欲・活動性の低下などが出現し,1週間後には,ハミルトンうつ病評価尺度でも光パルス療法前の状態にまで悪化した。再度,同じ条件で光パルス療法を開始したところ,前回と同様に,3日目から気分,意欲の改善が認められ,効果の再現性が確認された。退院後,ポータブル治療器(4,000lux)で,午前9時から11時までの2時間,連日,光パルス療法を続行し,良好な状態を維持した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?