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雑誌詳細

文献概要

短報

Spike-Wave Stuporに対する維持薬物療法について

著者: 木戸日出喜1 長谷川充1 坂本宏1 山口成良1 竹内正士2 倉田孝一3

所属機関: 1金沢大学医学部神経精神医学教室 2福井県立精神病院 3富山医科薬科大学医学部精神神経医学教室

ページ範囲:P.1353 - P.1355

 いわゆる中心脳性と思われる汎性同期性棘・徐波複合の異常な連続,頻回な出現と,これに一致するstuporと表現されることの多い精神変調に要約される状態像が,てんかんの経過上みられることがあり,Lennox6)は,この状態像を“petit mal status”と呼んだ。その後,この名称をめぐって,種々の論議がなされたが,1965年に,Niedermeyerら8)は,より包括的,説明的な概念として“Spike-Wave Stupor”(以下SWS)と呼ぶことを提唱した。以後,この臨床脳波学的状態像を示す名称は,広く使用されるに至り,詳細な総説3,4)や,脳波所見からSWSを6型に区分する大沢らの報告9)を含め,すでに数多くの報告がある。しかしながら,SWSに対する維持薬物療法に論点を絞った報告は少ないようである。
 今回,我々は,SWSの出現頻度を減少させることに成功した3症例を経験したので,その治療経過に焦点をあてて報告する。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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