文献詳細
研究と報告
精神病症状消退後の虚脱状態と過渡対象—ある精神分裂病者の寛解過程から
著者: 三野善信1 永松郁子2 牛島定信3
所属機関: 1高知医科大学公衆衛生学教室 2下司病院 3福岡大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.141 - P.147
文献概要
症例は30歳の男性であり,父の死,離婚,母の事故と入院の後に関係被害妄想,妄想気分を中心とする精神病状態に陥った。作為体験によると思われる自殺企図のために入院となり,約1カ月で精神病状態は消失した。その後の寛解過程は2つの時期に分けることが出来た。臨界期に相当する焦りの時期と虚脱期である。そして,焦りの時期にはプラモデル,虚脱期には花という過渡対象が観察された。
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