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文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻2号

1988年02月発行

研究と報告

精神病症状消退後の虚脱状態と過渡対象—ある精神分裂病者の寛解過程から

著者: 三野善信1 永松郁子2 牛島定信3

所属機関: 1高知医科大学公衆衛生学教室 2下司病院 3福岡大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.141 - P.147

文献概要

 抄録 ある精神分裂病者の寛解過程に認められた精神病症状消退後の虚脱状態(PPC)と過渡対象について報告した。
 症例は30歳の男性であり,父の死,離婚,母の事故と入院の後に関係被害妄想,妄想気分を中心とする精神病状態に陥った。作為体験によると思われる自殺企図のために入院となり,約1カ月で精神病状態は消失した。その後の寛解過程は2つの時期に分けることが出来た。臨界期に相当する焦りの時期と虚脱期である。そして,焦りの時期にはプラモデル,虚脱期には花という過渡対象が観察された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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