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文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻2号

1988年02月発行

研究と報告

インターフェロン治療中,一過性の精神症状を呈したB型慢性肝炎の2例

著者: 廣田典祥1 浜田芳人1 川浪由喜子1 鈴木治徳1 高橋克朗1 内野淳2 古賀満明3 田島平一郎3 南野毅3 矢野右人3

所属機関: 1国立長崎中央病院精神科 2長崎大学医学部精神神経科 3国立長崎中央病院内科

ページ範囲:P.177 - P.182

文献概要

 抄録 インターフェロン治療中,一過性の精神症状を呈したB型慢性肝炎の2例を報告した。いずれも41歳の男性で,トランスアミナーゼの高値,HBe抗原陽性を認めたため,インターフェロン(Recombinant IFN-αA)の投与を行った。治療開始と共に副作用として,悪寒・発熱・頭痛・筋肉痛などインフルエンザ様症状が出現したが,それに遅れて次第に増悪する精神症状として不眠・不安・抑うつ・不穏・焦燥感・自殺念慮(企図)・思考散乱が生じた。治療終了後,情動過敏状態を経た後,しばらくして精神症状も消失し,安定を得て退院することができた。
 このような精神症状の発現には,インターフェロンの有する中枢神経毒性を考慮すべきであろう。インターフェロン療法の経過中,副作用として一過性の精神症状の出現には充分な注意が望まれる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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