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文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻2号

1988年02月発行

動き

国際精神医学・精神分析学史学会について

著者: 影山任佐1

所属機関: 1東京医科歯科大学犯罪精神医学

ページ範囲:P.217 - P.218

文献概要

 現代臨床医学のなかでも年下の弟として生まれた精神医学(精神分析学)が自らの歴史を学問の対象とすることはどんな意味があるのだろうか。歴史を持つ程に成熟したと考えるべきなのか,または歴史的精神が自覚される過程には常に危機的状況認識が潜んでいるのだろうか。最近我が国でも諸外国でも関係者の尽力により,古典や名著の復刻版が相次いでだされ,原本では入手困難なこれらの書物が比較的楽に手元において,読めるようになった。また,我が国の精神医学史に対して目を向ける機運も事実盛んになりつつあるように思われる。現在は精神医学における歴史的精神のいわば大きなうねりのなかにあるといえるのではないのだろうか。ただ過去にも何度かあったと思われるこのうねりと今回の違いがあるとするならば,精神医学と精神分析が手を結び,国際的に交流,協力しあうという今回の新しい国際学会の誕生に,それは象徴されているように思われる。この学会については既にご承知の方も少なくないと思うが,先般会長のPostelや評議員のDelavenne両博士から,学会の日本への紹介依頼が筆者のもとにあり,彼らから送られた資料に基づき,概略的ながら,以下紹介させていただく。
 精神医学・精神分析学史に対する学問的関心の高まってきた現在,これを扱う諸学派の結合を保証する学会組織の必要性が認識された。このため1981年にフランス国内の組織として精神医学・精神分析学史学会が発足し,これを母胎にして1984年に国際学会が生まれた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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