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Friedrich Mauz:Die Prognostik der endogenen Psychosen[Georg Thieme Verlag, Leipzig,1930](第3回)内因性精神病の予後
著者: 曽根啓一1 植木啓文1 高井昭裕1 児玉佳也1
所属機関: 1岐阜大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.219 - P.227
文献購入ページに移動いずれにせよ明白であるのは,この患者が痴性化するのかどうかという質問は,「精神錯乱」の程度からは答えられない,ということである。その質問に,ベットサイドで捉える症候からのみ答えようとするならば,予後の推量は,とりわけ以下に述べる観点からなされなければならない。
Kraepelinの70歳の誕生日を祝した論文の中でBleulerは指摘している。個々の症状において,それはどの程度身体的であるのか,それはどの程度精神的であるのか,ということを本来問題にしなければならない,と。この設問は,予後を知る上で,第一の課題であるようにさえ思える。ともかく身体的なものが分裂病性の症状に潜んでいるかどうかは,過程性の証明によって確定される--本来個々の過程の予後は,この証明によって始まるのであるが。だから私たちも同じように,手始めに過程性の特徴を呈示してきたのである。そうしてくる内に,過程の要因以外に,症状形成に確実に影響を及ぼす可能性があるその他の一連の要因をも知るに至ったのであり,従って,是非必要と思われることは,活動性の過程から生起する症状を利用して予後を知ることを,もう一度より広い観点のもとで吟味する,ということである。
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