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文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻3号

1988年03月発行

研究と報告

Mianserinの向精神作用に関する定量脳波学的研究

著者: 山本幸良1 磯谷俊明1 岡島詳泰1 斎藤朱実1 本多義治1 南良武1 福井安治1 斎藤正己1

所属機関: 1関西医科大学精神神経科学教室

ページ範囲:P.345 - P.353

文献概要

 抄録 第二世代の抗うつ薬であるmianserin(MSR)の臨床作用特性を解明するために,零交叉法による定量的脳波分析を行い,更にその結果をクラスター分析を用いて他の抗うつ剤の脳波変化と比較した。対象を6名の健常志願者とし,MSR 10mg及び20mgを単回投与後1,3,6時間の脳波記録を分析した。その結果,MSR 10mgはthymoleptic型の傾向を持つpsychostimulant型の変化を示し,その抗うつ効果は精神賦活効果を主とすることが,MSR 20mgはamitriptylineに類似した典型的なthymoleptic型の変化を示し,その抗うつ効果は鎮静作用を伴う気分高揚作用であることが示された。
 クラスター分析では,特にMSR 10mgで他の抗うつ剤に対して独立したクラスターを形成する傾向があり,またMSR 20mgでは特に低用量の他剤に対して異なったクラスター化を認めて,その臨床効果の独自性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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