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創刊30周年記念特集 精神医学—最近の進歩 第2部
WHO研究活動の現状—精神衛生に対する生物学的アプローチを中心に
著者: 高橋良1
所属機関: 1東京医科歯科大学神経精神科
ページ範囲:P.415 - P.422
文献購入ページに移動WHOの精神衛生研究活動は長年に亘って広範囲の分野で活発に行われていることは,すでに本誌(1981年23巻2号)で篠崎英夫氏によって適確に展望されている。特に1975年より1982年に至る第6次のWHO精神衛生中期計画では97項目の研究プロジェクトがあげられ,その中で特に精神障害の疫学的調査,公衆衛生活動の中での包括的精神衛生活動の推進,アルコール中毒及び薬物依存の予防対策の確立,精神衛生分野における代謝研究,遺伝研究,生物学的研究,社会精神医学研究の促進が留意事項としてあげられている。これらの研究プロジェクトはWHO本部の精神衛生部により調整・支援された世界的規模の研究チームと各地域毎の精神衛生課により支援された研究チームとによって今日も続行されており,すでに多くのものの成果がWHO出版物や報告,雑誌論文として発表されている。
本論文はWHO研究活動の現状をすべて報告することは不可能なので,わが国が参加しているプロジェクトについて概観し,主として生物学的研究の現況を述べることを目的としている。しかし筆者の不勉強でもれていることがあることをあらかじめお許しねがいたい。
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