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文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻4号

1988年04月発行

文献概要

研究と報告

新抗てんかん薬zonisamideの臨床効果と安全性—多施設共同第三相試験

著者: 小野常夫1 八木和一1 清野昌一1

所属機関: 1国立療養所静岡東病院(てんかんセンター)

ページ範囲:P.471 - P.482

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 抄録 新抗てんかん薬Zonisamide(ZNA)の第三相試験を,成人のてんかん患者計538名について38カ月にわたって行った。発作抑制効果をZNA付加前の発作頻度から見ると,254例(50.2%)に50%以上の減少がもたらされた。発作間けつ時症状をも加味した総合改善度では,293例(57%)に臨床上意味のある改善がもたらされ,ZNAは部分発作だけでなく,全般発作にも効果スペクトルをもつと思われた。ZNAの発作抑制効果は投与量依存性を示した。また試験中一貫してZNA単剤であった20例中19例に改善がもたらされた。有効症例の血中ZNA濃度は20μg/ml程度であり,15mg/kg/日までの投与量では血中濃度とほぼ直線性の比例関係が認められた。ZNAの副作用は,記銘・判断力低下や思考の緩慢化などがあるものとみなされ,これらに留意すれば,抗てんかん薬としてのZNAの有用性はさらに高まるものと思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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