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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

Gilles de la Tourette症候群の精神医学的研究—(2)器質的要因について

著者: 斉藤幹郎12

所属機関: 1順天堂精神医学研究所付属順天堂越谷病院 2順天堂大学精神医学教室

ページ範囲:P.529 - P.535

 抄録 DSM-Ⅲの定義を満たす17名のGilles de la Tourette症候群(GTS)の患者の器質的要因を検討し,また脳波異常を示しphenobarbital(PB)により軽快した2症例を提示した。そして6例(35.3%)にチックの遺伝負因を認めた。出産時に5例(29.4%)に問題があった。5例(29.4%)が左利きで2例は右利きへの矯正時とチックの発症が一致した。多動またはMBDは10例(58.8%)に見られ,4例(23.5%)に痙攣の既往があり1例はてんかんとの合併例と考えられた。筋伸展性の亢進が12例(70.6%)に,アレルギー症状が5例(29.4%)に見られ,うち2例でチック症状と負の相関が認められた。脊椎側彎が7例(41.2%)に見られた。脳波異常が11例(64.7%)にあり,CTでは10例中4例(40%)に異常が見られた。以上のことからGTSの器質的要因の特徴は非特異的異常の様々な組み合わせを示すことであると結論し,またPBによる軽快からGTSの異種性の可能性を推定した。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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