icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻5号

1988年05月発行

文献概要

研究と報告

両側対称性大脳基底核石灰沈着と精神症状について

著者: 木村健一1 小原基郎1 阿部完市1 溝口藤雄2 尾原義悦2 小池順平2

所属機関: 1浦和神経サナトリウム 2済生会川口総合病院

ページ範囲:P.553 - P.561

文献購入ページに移動
 抄録 Fahrの報告以来,両側対称性大脳基底核の石灰化は,いろいろの疾患で発見されている。Fahr病,副甲状腺機能低下症,偽性・偽性偽性副甲状腺機能低下症,Cockayne症候群6),放射線治療後,その他18,50)である。近年CT検査の発達により大脳基底核石灰化症例の発見されることが多くなり,無症状の者も含めて多くの疾患で見出されている。筆者は大脳基底核石灰化と精神症状について調査すべく,自験例5例と済生会川口総合病院CT室3,948例中の大脳基底核石灰化例22例,計27例を検討した。臨床診断は脳梗塞,高血圧,脳循環障害が最も多く12例で,パーキンソン症を呈するもの4例,副甲状腺機能低下症,甲状腺機能低下症,Fahr病各1例であった。症状として頭痛,頭重を訴えるもの11例で,精神神経症状としては,てんかん,心気症,うつ気分,めまい,嘔気などがあった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?