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文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻7号

1988年07月発行

研究と報告

幻覚妄想状態を呈した原発全般てんかんの2症例

著者: 釘宮誠司1 緒方明2

所属機関: 1博愛診療所 2熊本大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.777 - P.783

文献概要

 抄録 てんかん性精神病epileptic psychosisの報告は側頭葉てんかんが主であり,原発全般てんかんでは稀とされている。今回,我々は幻覚妄想状態を呈した原発全般てんかんの2症例を経験したので報告した。てんかん発作の発症は思春期で,発作型は全般性強直間代けいれん発作で,発作は覚醒時のみに稀発し,発作間歇期にsp-wのshort burstを呈するEpilepsy with Grand mal on awakening症候群であった。精神症状はてんかん発作の発症4年後に出現し,相性に2〜4カ月間の幻覚妄想状態を呈し,ときに軽微な意識障害を伴った。そして、その消褪後の寛解期には神経衰弱状態が残遺した。なお,精神症状出現時にもsp-wが認められた。原発全般てんかんの中で精神症状を呈するものはEpilepsy with Grand mal on awakening症候群が多いことを指摘し,症状の推移や脳波所見の相似性から非定型精神病との関連を考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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