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文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻7号

1988年07月発行

研究と報告

新しい抗不安薬Buspironeの臨床効果

著者: 西園昌久1

所属機関: 1福岡大学精神神経科

ページ範囲:P.803 - P.811

文献概要

 抄録 新規抗不安薬のBuspironeを各種神経症患者180名に投与し,不適格症例44例を除く136例に対してその効果,安全性,有用性について検討した。最終全般改善度は著明改善12.5%,中等度改善以上44.1%,軽度改善以上73.5%,悪化7.4%であった。HAMILTON不安評価尺度,神経症症状評価尺度,自己診断点では,不安,抑うつ,心気症状に最も改善が認められた。また強迫,恐怖症状にも高い改善率を示したところは注目される。副作用の発現率は38.2%で,比較的頻度の高かったものは眠気,悪心,ふらつきであった。また,D-2-AおよびD-2-Bの評価表を使用し,依存性について検討した結果,依存性形成は認められなかった。本剤は不安に対して効果があり,薬物依存を認めず,かつ安全性の高い抗不安薬であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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