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短報
アルコール症にみられた大脳縦裂部硬膜下血腫
著者: 赤井淳一郎1 村松太郎1 小池祐治2 上野裕壹2
所属機関: 1国立療養所久里浜病院 2横須賀市立市民病院脳神経外科
ページ範囲:P.817 - P.818
文献購入ページに移動われわれは,先に,アルコール症にみられた硬膜下血腫について報告し,その発生の予知および予後に対して,CTスキャンの検査が重要であることを述べた1)。また同時に,50年も前から,硬膜下血腫が中高年の酒客に多いと言われながら,その疫学的検討がなされていなかったことも指摘した。そこで,アルコール症の治療専門病棟をもつ当施設での症例の積み重ねが大切と考え,検査を続けているが,今回,大脳半球縦裂間に発生した例を経験した。この部位の硬膜下血腫は,われわれの調べた限りでは,本邦ではこれまでに10例に満たず,欧米でも散発的に症例報告がみられるにすぎない。だがここに報告する目的は,症例がきわめて数少ないものであるということのほかに,本例の症状の進展の際,CTスキャンの所見が治療方針をたてる上に,重要であったことを示すためもある。
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