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文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻8号

1988年08月発行

文献概要

短報

diclofenacにより誘発されたリチウム中毒の1例

著者: 金谷俊則1 神田晃1 佐伯俊成1 熊田利郎12

所属機関: 1厚生連吉田総合病院精神科 2国立療養所賀茂病院

ページ範囲:P.919 - P.921

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I.はじめに
 リチウムは,精神科領域では主に躁うつ病,とりわけ躁病の治療薬として広く用いられている。しかし,有効濃度と中毒域との範囲が狭いためリチウムの過剰投与の場合はもとより,種々の要因によってリチウムの血清濃度が上昇する結果,中毒症状をきたすことがある。なかでも相互作用により血清リチウム濃度を上昇させるような薬剤としてはサイアザイド系利尿剤,抗アルドステロン剤,プロスタグランジン合成阻害作用を有する非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs:Non-steroidal antinflammatory drugs)などが知られている4,7)。今回,我々は炭酸リチウムによる躁状態の治療中に,NSAIDsのひとつであるdiclofenac sodium(商品名:ボルタレン)を併用した結果,リチウム中毒をきたした症例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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