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短報
diclofenacにより誘発されたリチウム中毒の1例
著者: 金谷俊則1 神田晃1 佐伯俊成1 熊田利郎12
所属機関: 1厚生連吉田総合病院精神科 2国立療養所賀茂病院
ページ範囲:P.919 - P.921
文献購入ページに移動リチウムは,精神科領域では主に躁うつ病,とりわけ躁病の治療薬として広く用いられている。しかし,有効濃度と中毒域との範囲が狭いためリチウムの過剰投与の場合はもとより,種々の要因によってリチウムの血清濃度が上昇する結果,中毒症状をきたすことがある。なかでも相互作用により血清リチウム濃度を上昇させるような薬剤としてはサイアザイド系利尿剤,抗アルドステロン剤,プロスタグランジン合成阻害作用を有する非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs:Non-steroidal antinflammatory drugs)などが知られている4,7)。今回,我々は炭酸リチウムによる躁状態の治療中に,NSAIDsのひとつであるdiclofenac sodium(商品名:ボルタレン)を併用した結果,リチウム中毒をきたした症例を経験したので報告する。
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