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文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻9号

1988年09月発行

文献概要

特集 世界の精神科医療の動向

スペインにおける最近の精神医学の趨勢

著者: 浦田実2 高橋良3

所属機関: 1バルセロナ大学医学部精神科 2長崎大学医学部精神神経科 3東京医科歯科大学医学部神経精神科

ページ範囲:P.993 - P.998

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 医学の専門分野として,科学的な精神医学の発展は,ごく最近になってからである。しかし狂気に関する文学,哲学,宗教的な研究と同様に,社会的援助への医学以外からの関心は,数世紀以前からみられる。
 中世において,病院や保護収容所に精神障害者が収容されていたことを示す資料がある。スペインにおける精神医学の歴史を語る際に,Mercedaryの修道士Fray Gilabert Jofreの名が必ず出てくる。1409年,彼は,狂人や患者が危害を及ぼしたりあるいは迫害を受けないように,特殊な施設を作った。American Journal of Psychiatry, May 1945に発表された,Peter Bassoeによる"精神医学の発祥地としてのスペイン"という論文の中で,著者は前記の施設が世界で初の精神病院であったと述べている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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