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文献詳細

雑誌文献

精神医学30巻9号

1988年09月発行

研究と報告

抗精神病薬服薬中の精神分裂病患者の自律神経症状—心電図R-R間隔の変動係数(CV値)を用いた研究

著者: 藤井英雄1 鹿井博文1 牟礼利子1 堀康子1 水谷弘1 冨永秀文1 松本啓1

所属機関: 1鹿児島大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.1023 - P.1029

文献概要

 抄録 健康成人および抗精神病薬服薬中の精神分裂病患者の自律神経機能について,CV値を用いて研究を行った。その結果,精神分裂病患者のCV値は,健康成人のCV値に比較して,有意に低値を示した。精神分裂病患者の自律神経症状総得点値とCV値との間には有意な負の相関が認められた。精神分裂病患者の女性のCV値は,精神分裂病患者の男性のそれに比較して,低値を示す傾向があり,精神分裂病患者の女性の自律神経症状総得点値は,精神分裂病患者の男性のそれに比較して統計学的に有意に高値を示した。1日服薬量,服薬期間,推定総服薬量と,CV値および自律神経症状総得点値との間には,統計学的に有意な相関は認められなかった。たちくらみ,便秘,排尿障害および口渇に対するmecobalaminの効果は,有効以上で約3分の1,やや有効以上で約3分の2であった。また,mecobalaminの副作用は,全例において認められなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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