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特集 サーカディアンリズム—基礎から臨床へ
ヒトのサーカディアンリズム—光同調機序
著者: 本間研一1
所属機関: 1北海道大学医学部生理学教室
ページ範囲:P.33 - P.40
文献購入ページに移動I.はじめに
ヒトの睡眠覚醒や深部体温,ホルモン分泌にみられる24時間リズムが,24時間に近い周期をもつ内因性の振動機構(生物時計)に支配されていることは広く認められている。しかし,この比較的長い周期の生体振動がいかにして発現するのか,24時間周期の外部環境にはどのようにして同調しているのか,またリズム同調に関与する環境因子(同調因子)は何か,という問題については不明な点が多い。
一般にサーカディアンリズムの解析は,環境の周期性を取り除いた条件(恒常条件)下で,フリーランリズムを対象として行われることが多い。しかし,ヒトの機能を恒常条件下で解析することは必ずしも容易ではない。ヒトの場合,恒常条件を得るためには光や温度の他に,社会的環境も一定にする必要があり,実際には社会的接触を絶つ隔離実験を行わなければならない。
ヒトの睡眠覚醒や深部体温,ホルモン分泌にみられる24時間リズムが,24時間に近い周期をもつ内因性の振動機構(生物時計)に支配されていることは広く認められている。しかし,この比較的長い周期の生体振動がいかにして発現するのか,24時間周期の外部環境にはどのようにして同調しているのか,またリズム同調に関与する環境因子(同調因子)は何か,という問題については不明な点が多い。
一般にサーカディアンリズムの解析は,環境の周期性を取り除いた条件(恒常条件)下で,フリーランリズムを対象として行われることが多い。しかし,ヒトの機能を恒常条件下で解析することは必ずしも容易ではない。ヒトの場合,恒常条件を得るためには光や温度の他に,社会的環境も一定にする必要があり,実際には社会的接触を絶つ隔離実験を行わなければならない。
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