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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻1号

1989年01月発行

研究と報告

精神病急性期における血清CPK高値について

著者: 宮本典亮1 百溪陽三1 東雄司1

所属機関: 1和歌山県立医科大学神経精神科学

ページ範囲:P.93 - P.99

文献概要

 抄録 急性精神病118名を対象として,CPKをはじめとする種々の血清酵素活性を測定し検討した。高CPK活性を示す患者の頻度は32.2%,男女比に関しては男43.4%,女23.1%と有意に男性患者に高頻度であった。疾患別では,精神分裂病圏29.3%,躁病33.3%と両者に有意差を認めなかった。精神分裂病圏では,緊張型分裂障害,分裂病様障害,分裂感情障害に高頻度であった。状態像との関係では活動低下や緩徐な動き,常同症,緊張病性運動等の症状を示す患者で高CPK活性を認めた。
 高CPK活性を示す患者では,同時にアルドラーゼ,GOT,LDHの活性の上昇を認め,高CPK活性の持続時間は大部分の患者では2〜4週間で正常に復した(85.7%)が,一部の患者では症状が改善するまで持続した。電撃療法はCPK活性に影響を与えなかった。また,高CPK活性を示す15.8%で,その経過中に円形脱毛症が観察された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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