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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻10号

1989年10月発行

文献概要

研究と報告

単回吸引により惹起されたマリファナ精神病の1例

著者: 橋本俊明12 砥川弘美1 谷矢雄二3 西島久雄12

所属機関: 1大内病院 2昭和大学医学部精神医学教室 3大和病院

ページ範囲:P.1031 - P.1036

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 抄録 マリファナ煙草1本を吸引したことにより酩酊状態と急性中毒性精神病を呈し,その後に不安,強迫,発動性低下,現実感の喪失,不眠などの神経症としての諸症状が出現し,遷延したと考えられた1症例を報告した。本例を通してマリファナ使用に関して個人の感受性と環境因子の重要性について触れ,単回吸引でも酩酊状態や急性中毒性精神病などの即時的影響だけでなく,精神症状が遷延する可能性があることを指摘するとともに,常用者にみられる無動機症状群をはじめとする遷延性の症状にも心因性の要因を考慮する必要があると考えた。
 本例のように極少量の機会的吸引例で精神病状態を呈する例があるということは,常用者のみならず好奇心に誘われてあるいは友人に誘われてなどという軽い動機で吸引する者に対してもマリファナ使用に関して警告を発するものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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