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研究と報告
睡眠相遅延症候群の時間療法(Chronotherapy)
著者: 伊藤彰紀1 太田龍朗1 粉川進1 岩田宗久1 寺島正義1 岡田保1
所属機関: 1名古屋大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.1055 - P.1062
文献購入ページに移動治療前,夜間に睡眠をとらせた場合のポリグラフィーでは睡眠潜時・REM潜時が長く,睡眠前半に中途覚醒が頻回または長時間にわたって認められた。直腸温リズムも遅延して固定していた。これらの異常の程度は,各症例の臨床上の重症度・社会的な障害の程度とよく相関していた。治療後では睡眠潜時・REM潜時の短縮・正常化が認められ,睡眠効率も改善した。また直腸温リズムの遅延も是正された。しかし一方で容易に再度の遅延が起こる傾向がうかがわれ,時間療法のみによる治療では長期の維持に限界があるのではないかと考えられた。
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