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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻11号

1989年11月発行

文献概要

研究と報告

側頭葉てんかん患者の開瞼時眼球運動—発作波焦点側との関連性を中心にして

著者: 中島一憲1 小島卓也1 松島英介1 大林滋1 上杉秀二2 大沼悌一2 大高忠3 島薗安雄2

所属機関: 1東京医科歯科大学神経精神医学教室 2国立精神・神経センター 3独協医科大学神経精神医学教室

ページ範囲:P.1157 - P.1164

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 抄録 側頭葉てんかん患者にみられる開瞼時眼球運動の特徴を発作波焦点側との関連性から検討することを目的とし,側頭葉てんかん患者46名を対象として,発作間歇期の脳波を用いて発作波の焦点部位別に3群に分け,開瞼時眼球運動の検査を行った。また,その結果を慢性分裂病患者50名,正常対照者50名の結果と比較した。右側焦点群では正常群とほぼ同等の結果が得られたのに対して,左側焦点群では,右側焦点群と比べて明らかに異なり,分裂病群の値により近い結果が得られた。このことから,側頭葉てんかん患者において,発作波焦点側によって視覚的行動に相違がみられることが示唆された。またこの結果は,分裂病様の精神症状を示す側頭葉てんかんの症例は,脳波上,左側頭部に発作波焦点を持つものが多いという従来の知見と精神生理学的に関連するものであると考えられた。最後に眼球運動と抗てんかん薬との関係についても考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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