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雑誌目次

雑誌文献

精神医学31巻12号

1989年12月発行

雑誌目次

巻頭言

精神医療の改革に向けて

著者: 更井啓介

ページ範囲:P.1238 - P.1239

 最近日常臨床で感じるのは,軽症例の増加である。ことにうつ病では身体症状を主に訴える患者が増えたので,見学生は「内科に似てますね」と言う。これは精神科外来医療が一般医療に近づいたことを示す。しかし,予約をしながら,受診時に「精神科」の看板を見たとたんに帰る人もいる。それは精神科への偏見が,なお支配しているためと思われる。
 プライマリー・ケア医師の養成をめざす厚生省の要望に応えて,文部省も大学病院に総合外来を開設している。神経症を含めて軽症精神障害者はここへの受診を好むが,精神科医がそこにいなければ,精神科に紹介される。ところが,上記のように,すぐ精神科へは受診しない人がいる。更なる啓蒙を要する。

展望

精神科の卒後教育

著者: 山口成良

ページ範囲:P.1240 - P.1250

Ⅰ.わが国における精神科卒後教育検討の経緯と現状
 1.精神科卒後教育検討の経緯
 わが国の医科大学における精神医学教室の始まりは,ドイツ留学より帰朝した榊俶博士が明治19年(1886年)11月11日文部省より東京大学医科大学教授に任ぜられ,同年12月3日精神病学の講義を始めたのをもって,東京大学医科大学精神病学教室が創設されたのを嚆矢とすると思われる1)。その後,全国各地に医科大学や医学専門学校が新設されたが,各大学における卒後精神医学教育はドイツ精神医学の影響を強く受けながら,各大学独自の卒後教育を行っていたものと思われる。
 系統だった卒後精神医学教育が問題になったのは,諏訪2)の記述によれば第二次世界大戦後であり,日本精神神経学会でも昭和32年に専門医制度対策委員会(高良武久委員長)が設置された。また学会総会がはじめて"精神医学教育"をシンポジウムの主題として取り上げたのは,昭和37年松本で開かれた第59回総会のときであり,その後昭和38年度から学会に精神医学教育委員会(金子仁郎委員長)が設置され,さらに昭和40年度からは,専門医制度対策委員会に代って専門医制度委員会(懸田克躬委員長)が新たに設けられ,卒後教育のあり方についても検討が進められるようになった。

研究と報告

青年期発症の分裂病患者の幼・小児期の研究—対人関係と行動特性について

著者: 三原龍介 ,   坂口正道 ,   木崎康夫

ページ範囲:P.1251 - P.1259

 抄録 青年期発症の分裂病患者84名の発病前の幼小児期について,両親との関わり方,交友関係,神経症的発症や問題行動の有無などを調査し,対照群80名と比較した。その結果,分裂病者に次のような特徴が示されたので報告した。(1)両親との関わりは乏しい例が多かった。(2)家庭内での適応態度では「活発でなく,手がかからなかった」といった例が多かった。(3)交友関係は乏しく,友人の数は少なかった。(4)神経症的行動障害では,幼小児期には言語発達的,小学校高学年では爪かみやチックが,中学校時代では情緒不安,不眠,強迫行為が多くみられた。(5)精神身体症状では,小学校時代では頭痛,便秘が多く,中学校時代では腹痛,頭痛,発熱,便秘,下痢が多くみられた。(6)問題行動では,中学校時代に不登校,自傷行為,怠学,嘘,暴力などが多くみられた。

全般性チックと自閉症

著者: 金生由紀子 ,   太田昌孝 ,   永井洋子

ページ範囲:P.1261 - P.1268

 抄録 しばしば全身に及ぶ,複合性で重症のチックを音声チックの有無にかかわらず全般性チックと定義した。自閉症の経過中に全般性チックを発症した5例を報告した。最初に,チック症状と自閉症児に多くみられる常同運動との相違点を明確にし,チック症状の随意的抑制の基準を提案した。自閉症児ではトゥレット障害の発症が発達の指標になるという報告があるが,この5例では全般性チックの発症で発達の促進や予後の改善はなかった。全般性チックの症例は,チック症状自体が重症なうえに,自閉症児の中でも異常行動が豊富で,社会適応上も重症であった。薬物療法でチック症状はかなり改善し,社会適応も一定程度改善した。全般性チックの概念は,DSM-Ⅲ-RやICD-10のトゥレット障害(あるいは症候群)のうち重症なものとその近縁の比較的重症なチックをまとめ,チック症に薬物療法を適用する指針を与えることができ,最新の診断基準と比べて有用であることを示した。

12歳で発病した双極感情障害の1例

著者: 間所重樹 ,   松原六郎 ,   越野好文 ,   伊崎公徳

ページ範囲:P.1269 - P.1275

 抄録 初潮前の12歳に発病し,DSM-Ⅲで双極感情障害と診断された1例を報告した。短い病相期,各病相への急激な変化,非定型病像の出現など若年者に特徴的な臨床像を呈したが,遺伝負因はなく性格の変化も認められなかった。DSTは成人と同様の状態依存性の結果を示した。imipramineによる躁転を認めたが,lithium carbonateによる治療は有効で,予防的長期投与が必要と考えられた。万歩計による1日歩数は行動量ひいては,その時の精神状態をよく反映しており,客観的指標として有用であった。若年者の躁うつ病様状態の疾病学的分類についてはまだ統一見解がないが,非定型病像をとりやすく長期予後が多様なことから,本例についても長期の経過観察が必要である。

35年間にわたり軽躁と抑うつを反復する躁うつ病の1例—病相周期に関する時間生物学的検討

著者: 水川六郎 ,   石黒忍 ,   岸本朗 ,   小椋力 ,   挾間秀文

ページ範囲:P.1277 - P.1282

 抄録 軽躁と抑うつを約35年間にわたり規則的に繰り返してきた,79歳の女性症例について,その経過を縦断的に調査した。その結果,①躁うつ各病相はほぼ規則的,対称的に出現するとともに,加齢に伴い各病相日数が35年間で平均21日から28日へと延長していた。②季節による病相日数の変動をみた場合,夏期,冬期において躁病相がうつ病相と比較して2〜3日延長していた。③躁からうつへの移行は数日をかけて徐々に起こっていた。一方,うつから躁への移行は比較的急激,明瞭で,調査した64回の躁転のうち52回(81%)が午後11時から午前8時までの夜間に起こり,さらにその中で午前2時から午前6時と特定できるものが28回にのぼった。
 これらの結果は,本症例の病因に生体リズム機構の何らかの異常が存在することを示唆しており,時間生物学的観点から若干の考察を加えた。

高齢者の睡眠ポリグラフィ—性差および知的機能検査との関連

著者: 森川恵一 ,   古田寿一 ,   前田義樹 ,   金英道 ,   浜原昭仁 ,   林卓也 ,   石黒信治 ,   佐野譲 ,   木場清子 ,   山口成良

ページ範囲:P.1283 - P.1289

 抄録 一般社会で老後を送っている自覚的な睡眠覚醒障害のない高齢者を対象に,終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)およびウェクスラー成人知能検査(WAIS)を施行した。PSG結果より,正常男性群6名(66〜73歳),無呼吸男性群5名(68〜75歳),正常女性群5名(66〜82歳)の3群に分け比較検討した。その結果,正常女性群では,Stage 3+4の深睡眠およびREM睡眠が多く,睡眠効率も良い傾向がみられた。無呼吸男性群では,中途覚醒回数,睡眠段階変化数,%stage lが有意に多く,睡眠内容の悪化がみられた。WAlSとの関連では,男性群において,無呼吸群は正常群よりも減退指数が高い傾向がみられた。無呼吸男性群において,減退指数と無呼吸との間に有意な正の相関が認められた。高齢者では,自覚的に睡眠覚醒障害がなくても,他覚的には男性のほうが女性よりも睡眠内容が悪化しており,睡眠時無呼吸は,知的機能の低下と関連を有している可能性が示唆された。

加齢による記憶の変化—有意味綴り及び無意味綴りを組み合わせた記憶検査を用いて

著者: 大城公恵 ,   池田淑夫 ,   奥山真司 ,   藤木嘉明 ,   友田桂子 ,   伊藤哲彦 ,   山内惟光

ページ範囲:P.1291 - P.1295

 抄録 加齢とともに身体機能並びに精神機能が低下するが,精神機能のうち特に記憶が障害されやすく,臨床上よく経験される。我々は若年者から老年者まで簡便に繰り返し施行でき,かつ客観性の高い記銘力検査を作成し,この検査の有用性並びに加齢による変化を測定した。
 梅本らの作製したカタカナ2文字の有意味度・無連想価の表に準じて,有意味綴り,無意味綴り各々5個ずつを選び,計10個よりなる記銘力検査を6組作成した。20歳台から80歳台までの精神疾患並びに身体疾患を有しない正常被験者138名に上記検査を施行し年代ごとに平均を出した。

特異な言語症状を呈した辺縁系痴呆の1例

著者: 波多野和夫 ,   松田芳恵 ,   岡本興一 ,   浜中淑彦

ページ範囲:P.1297 - P.1303

 抄録 辺縁系痴呆の一自検例の臨床報告を行い,その精神症状と言語症状について考察した。症例は原因不明の呼吸停止による無酸素脳症の後遺症と考えられ,X線CTとMRIの所見より両側の側頭葉と前頭葉の内側・底面にほぼ対称的な病変の広がりが推定された。精神症状としてはKluver-Bucy症候群に該当する行動異常(変形過多,口唇傾向,情動障害,食行動異常,等),健忘症候群,性格変化,言語障害,書字・描画障害が認められ,その背景に著しい人格解体が想定された。口頭言語症状は,経過の上で3期を分かつ変化を示したが,基本的にはジャルゴン様発話,語間代またはそれに近縁な語音反復,発話発動性低下という3つの要素の消長として理解可能であった。

多彩な精神症状を呈した正常圧水頭症の1症例

著者: 田口博之 ,   杉田知己 ,   為房計友 ,   大原健士郎 ,   山本清二

ページ範囲:P.1305 - P.1310

 抄録 ヒステリーの疑いで入院し,その後,正常圧水頭症と診断され,脳室—腹腔内短絡術により症状が劇的に消失した1症例を報告した。正常圧水頭症の症状は,いろいろな経過をとりうるものであり,また明らかな巣症状を示さないために,ヒステリー,あるいは老年痴呆との鑑別は容易ではない。しかし脳室一腹腔内短絡術の効果は劇的であり,「治癒しうる症候群」として正常圧水頭症を位置づけることは重要である。精神科領域でヒステリー,あるいは老年痴呆と診断され,治療されている症例の中に,このような正常圧水頭症が存在する可能性が高いと思われる。従って,痴呆,歩行障害,尿失禁を示す高齢者では,正常圧水頭症を鑑別する必要があると思われる。

緩徐に寡動傾向を呈した大脳基底核石灰化を伴うDown症候群の1例

著者: 堤学 ,   数川悟 ,   倉知正佳

ページ範囲:P.1311 - P.1315

 抄録 幼少時より重度の精神遅滞と動作の緩慢があり,青年期に入って寡動傾向が目立ち始めたDown症候群女子の1例を経験した。初診の30歳時,筋強剛や深部反射の亢進などの神経学的異常があり頭部CTを施行したところ,尾状核頭部を中心とする左右対称性の大脳基底核石灰化が認められた。血液電解質および副甲状腺機能にとくに異常はみられず,治療として抗パーキンソン病剤を使用したが,l-dopaに一時的に反応したのみで明らかな効果は得られなかった。LH-RHおよびTRH負荷テストにおける異常反応や終夜睡眠脳波でのspindleのprolongationには基底核の石灰化が関連すると考えられた。さらにこの石灰化の原因として循環不全を示唆する臨床症状や理学所見が認められた。本例では大脳基底核石灰化がdopamine伝達に障害をもたらし寡動などの臨床症状が出現したと推定された。

Y-516の精神分裂病に対する長期投与試験

著者: 猪狩中 ,   花田照久 ,   下島秀一 ,   大賀哲夫 ,   橋本俊明 ,   押尾雅友 ,   稲葉秀邦 ,   田鹿好昭 ,   金英雄 ,   安藤利道 ,   井上道雄 ,   竹村堅次

ページ範囲:P.1317 - P.1325

 抄録 精神分裂病患者27例に,Y-516を6カ月〜13カ月にわたり投与し,有効性と安全性を検討した。最終全般改善度は,「中等度改善」以上が59%,「軽度改善」以上が89%であり,「軽度悪化」以下は4%であった。精神症状の評価に用いたBPRSでは,「誇大性」「幻覚」「思考内容の異常」「疑惑」等に対する改善率が高く,優れた抗精神病作用を有するとともに「運動減退」「不安」「抑うつ気分」に対しても高い改善率が得られた。Y-516の投与量は150mg/日以下で維持される症例が多く,長期投与による効果の減弱傾向もなかった。副作用は,錐体外路症状が中心で,ねむけなどもみられたが,いずれも軽微であった。臨床検査所見では,一過性または軽度の異常が認められた症例があったが,試験期間中に投与を中断した例はなかった。有用度は,「かなり有用」以上59%,「やや有用」以上を含めると89%を占め,「やや好ましくない」以下は4%であった。

短報

発作性に自己像幻視(鏡像型)を呈したてんかんの1例

著者: 原純夫 ,   横山尚洋 ,   原常勝

ページ範囲:P.1327 - P.1330

I.はじめに
 自己像幻視は"一応健全な身体像の投射と考えられる幻視"と定義され,アルコールや薬物(覚醒アミン,麻薬,催幻覚剤)の急性中毒症状,熱性疾患(チフス,脳炎,髄膜炎など),精神分裂病,ヒステリー,脳血管障害,脳外傷,脳腫瘍などで起こりうる10)。てんかんにおいては側頭葉てんかんでのそれが知られているが詳細な報告例は少ない。筆者らは一過性に鏡像のようにもう一人の自分を見るという型の自己像幻視体験を持ったてんかんの1症例を経験したので,突発波焦点分布をもとに,その発現機序につき考察したい。

炭酸リチウム投与中に洞機能不全を来たした1例

著者: 切池信夫 ,   木岡哲郎 ,   福島淳 ,   井上幸紀 ,   副島清史 ,   秋岡要 ,   竹内一秀 ,   川北幸男

ページ範囲:P.1331 - P.1335

I.はじめに
 炭酸リチウム(以下リチウムと略す)の心臓血管系に対する副作用の報告は,神経系や腎機能に関するものに比べて極めて少ない。リチウムによる心電図上の変化としては,治療濃度において可逆的なT波の平坦化や逆転,QT延長,洞房ブロック,房室ブロック,心房および心室性期外収縮などが,中毒濃度においてはこれらに加えて右脚ブロック,心房粗動,心室細動などが報告されている11,17,19)
 今回我々は,13年間にわたりリチウム療法を受けていたところ,リチウム中毒と洞房ブロックによる徐脈性不整脈をきたし,リチウムの減量によりこれらの改善を認めた躁うつ病の1例を経験した。リチウムと洞機能不全の関係について若干の文献的考察を加えて報告する。

恐慌性障害(Panic Disorder)におけるTリンパ球サブセットについて

著者: 定塚甫

ページ範囲:P.1336 - P.1340

Ⅰ.緒言
 精神疾患に関する免疫学的研究は,すでに多く行われている。それらは,精神疾患におけるα-,β-,γ-グロブリンの定量やIgG,IgA,IgMなどの血清免疫グロブリンの定量などの体液性免疫の研究から細胞性免疫の研究に至るまで行われている。著者も,すでに精神疾患と免疫学的変化とは深い関わりがあることを報告している11〜13)
 他方,恐慌性障害(panic disorder:以下PD)は,以後の研究によりその治療のいかんにより後に心電図においてST降下性狭心症あるいはST上昇性の異型狭心症へと発展するものがあるとしている33)。この意味も含め,PDは,臨床上重要な障害の一つとされている。

資料

アルコール症者の予後に関する調査

著者: 稲井徳栄 ,   勝井丈美 ,   西田牧衛 ,   和泉貞次

ページ範囲:P.1341 - P.1346

I.はじめに
 我が国では,1960年に発表された高橋の「酒精中毒者の予後」8)を皮切りに続々とアルコール症者の予後に関する報告が発表されてきた。それらの報告の多くは,断酒予後,生命予後,及びそれらの予後に関与する因子の分析に主眼を置いたものがほとんどであった。
 筆者らは,退院したアルコール症者の実態や意識を詳細に把握し,その結果を今後のアルコール症治療に生かしていくことが大切と考え,河渡病院アルコール病棟を退院したアルコール症者に,「断酒状況」「外来通院」「抗酒剤の服用」「地域断酒会への参加」などの8項目にわたる詳細なアンケート調査を行い,患者の生の声を反映した結果が得られたので,若干の考察を加え報告した。

紹介

自殺と医療過誤—アメリカの精神科医療に見たその防止策について

著者: 高橋祥友

ページ範囲:P.1347 - P.1353

I.はじめに
 この論文の目的は,アメリカの精神科医療における自殺に関する医療過誤と医療過誤訴訟の防止策について紹介することにある。私は1987〜1988年度フルブライト研究員として渡米する機会を与えられた。主な目的はアメリカ合衆国における自殺予防活動の実際を研究することであったが,今回の渡米はそれ以外にも思わぬ副産物をもたらした。異国の精神科医療を見聞することは,当然のことながら,文化,経済,自由の概念,人権,法律の差にも関心を向けるきっかけともなった。
 周知の通りアメリカは訴訟社会であり,医療の現場においても,それはあてはまる。科によっては,医療過誤の訴訟に負けた結果廃業する医師が増えたり,高騰する賠償保険がさらに治療費の上昇に結びつくといった事態を招いている。医療過誤の訴訟を起こされたアジア系移民の医師が自殺するといった事件すら私の滞在中に起きたほどであった。

動き

「国際老年精神医学会第4回大会」印象記

著者: 柄澤昭秀

ページ範囲:P.1354 - P.1355

 国際老年精神医学会第4回大会は,長谷川和夫教授(聖マリアンナ医大)を会長として,去る9月5日から8日まで,東京,新宿のセンチュリーハイアットホテルで開催された。最終登録者数は750名,そのうち外国からの参加が30カ国,約300名を占め,関係者の当初の予想を大きく上回る盛会となった。今回の大会の特徴の一つは外国人の参加が多かったことである。しかも,英国のM. Roth教授や米国のEW. Busse教授などの大御所をはじめ,各国の代表的な老年精神医学者のほとんどが顔を揃えた。このことは一つには,老年期の精神健康問題に対する世界的な関心の高まりによるものであろうが,それだけでなく,やはり長谷川会長のそのための努力によるところが大きかったと思われる。
 組識としての国際老年精神医学会(IPA-lnternational Psychogeriatric Association)は1980年に創立された比較的若い学会であるが,1982年にカイロで開催された第1回大会以後,2年に1回の大会と年に1回のワークショップが定期的に世界各地で行われてきた。この間日本から長谷川教授と西村健教授(阪大)が常任理事会のメンバー1に加わるなど,学会としての組織も拡大,強化されてきたのであるが,今大会の盛況をみると,学会の基礎は完全に固まったとの感が強い。

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精神医学 第31巻 総目次

ページ範囲:P. - P.

基本情報

精神医学

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-126X

印刷版ISSN 0488-1281

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