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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻12号

1989年12月発行

文献概要

展望

精神科の卒後教育

著者: 山口成良1

所属機関: 1金沢大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.1240 - P.1250

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Ⅰ.わが国における精神科卒後教育検討の経緯と現状
 1.精神科卒後教育検討の経緯
 わが国の医科大学における精神医学教室の始まりは,ドイツ留学より帰朝した榊俶博士が明治19年(1886年)11月11日文部省より東京大学医科大学教授に任ぜられ,同年12月3日精神病学の講義を始めたのをもって,東京大学医科大学精神病学教室が創設されたのを嚆矢とすると思われる1)。その後,全国各地に医科大学や医学専門学校が新設されたが,各大学における卒後精神医学教育はドイツ精神医学の影響を強く受けながら,各大学独自の卒後教育を行っていたものと思われる。
 系統だった卒後精神医学教育が問題になったのは,諏訪2)の記述によれば第二次世界大戦後であり,日本精神神経学会でも昭和32年に専門医制度対策委員会(高良武久委員長)が設置された。また学会総会がはじめて"精神医学教育"をシンポジウムの主題として取り上げたのは,昭和37年松本で開かれた第59回総会のときであり,その後昭和38年度から学会に精神医学教育委員会(金子仁郎委員長)が設置され,さらに昭和40年度からは,専門医制度対策委員会に代って専門医制度委員会(懸田克躬委員長)が新たに設けられ,卒後教育のあり方についても検討が進められるようになった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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