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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻12号

1989年12月発行

研究と報告

青年期発症の分裂病患者の幼・小児期の研究—対人関係と行動特性について

著者: 三原龍介12 坂口正道3 木崎康夫4

所属機関: 1浜松医科大学精神神経科教室 2丹沢病院 3東京都立松沢病院 4積善会曽我病院

ページ範囲:P.1251 - P.1259

文献概要

 抄録 青年期発症の分裂病患者84名の発病前の幼小児期について,両親との関わり方,交友関係,神経症的発症や問題行動の有無などを調査し,対照群80名と比較した。その結果,分裂病者に次のような特徴が示されたので報告した。(1)両親との関わりは乏しい例が多かった。(2)家庭内での適応態度では「活発でなく,手がかからなかった」といった例が多かった。(3)交友関係は乏しく,友人の数は少なかった。(4)神経症的行動障害では,幼小児期には言語発達的,小学校高学年では爪かみやチックが,中学校時代では情緒不安,不眠,強迫行為が多くみられた。(5)精神身体症状では,小学校時代では頭痛,便秘が多く,中学校時代では腹痛,頭痛,発熱,便秘,下痢が多くみられた。(6)問題行動では,中学校時代に不登校,自傷行為,怠学,嘘,暴力などが多くみられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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