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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻12号

1989年12月発行

文献概要

研究と報告

高齢者の睡眠ポリグラフィ—性差および知的機能検査との関連

著者: 森川恵一1 古田寿一1 前田義樹1 金英道2 浜原昭仁1 林卓也3 石黒信治1 佐野譲4 木場清子1 山口成良1

所属機関: 1金沢大学医学部神経精神医学教室 2富山医科薬科大学医学部神経精神医学教室 3福井医科大学神経精神医学教室 4国立金沢病院神経科

ページ範囲:P.1283 - P.1289

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 抄録 一般社会で老後を送っている自覚的な睡眠覚醒障害のない高齢者を対象に,終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)およびウェクスラー成人知能検査(WAIS)を施行した。PSG結果より,正常男性群6名(66〜73歳),無呼吸男性群5名(68〜75歳),正常女性群5名(66〜82歳)の3群に分け比較検討した。その結果,正常女性群では,Stage 3+4の深睡眠およびREM睡眠が多く,睡眠効率も良い傾向がみられた。無呼吸男性群では,中途覚醒回数,睡眠段階変化数,%stage lが有意に多く,睡眠内容の悪化がみられた。WAlSとの関連では,男性群において,無呼吸群は正常群よりも減退指数が高い傾向がみられた。無呼吸男性群において,減退指数と無呼吸との間に有意な正の相関が認められた。高齢者では,自覚的に睡眠覚醒障害がなくても,他覚的には男性のほうが女性よりも睡眠内容が悪化しており,睡眠時無呼吸は,知的機能の低下と関連を有している可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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