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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻2号

1989年02月発行

文献概要

巻頭言

向精神薬条約とわが国の取り組み

著者: 加藤伸勝1

所属機関: 1東京都立松沢病院

ページ範囲:P.112 - P.113

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 依存性薬物乱用が国際的に大きな社会問題となっていることは周知の事実である。阿片等の国際規制は,1912年の国際阿片条約に発するが,その後大麻が取り上げられ,麻薬や大麻の製造,販売に関する国際間の規制に関し,1961年に「麻薬に関する単一条約」が締結された。この条約に加盟したわが国は,国内法も整備され,条約国では取締りの最もきびしい国の一つとなった。
 しかし,依存性薬物はこの条約に盛られている麻薬類だけではない。第2次大戦以後,数多くの中枢作用薬が開発され,精神疾患をはじめとする神経系障害の治療に革命的な発展がもたらされてきたが,そのうちの多くの薬剤に依存性が認められ,依存性薬物対策が重要課題となってきた。その代表が向精神薬であり,それらの乱用が諸外国で公衆衛生上及び社会上の大問題となっている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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