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巻頭言
向精神薬条約とわが国の取り組み
著者: 加藤伸勝1
所属機関: 1東京都立松沢病院
ページ範囲:P.112 - P.113
文献購入ページに移動 依存性薬物乱用が国際的に大きな社会問題となっていることは周知の事実である。阿片等の国際規制は,1912年の国際阿片条約に発するが,その後大麻が取り上げられ,麻薬や大麻の製造,販売に関する国際間の規制に関し,1961年に「麻薬に関する単一条約」が締結された。この条約に加盟したわが国は,国内法も整備され,条約国では取締りの最もきびしい国の一つとなった。
しかし,依存性薬物はこの条約に盛られている麻薬類だけではない。第2次大戦以後,数多くの中枢作用薬が開発され,精神疾患をはじめとする神経系障害の治療に革命的な発展がもたらされてきたが,そのうちの多くの薬剤に依存性が認められ,依存性薬物対策が重要課題となってきた。その代表が向精神薬であり,それらの乱用が諸外国で公衆衛生上及び社会上の大問題となっている。
しかし,依存性薬物はこの条約に盛られている麻薬類だけではない。第2次大戦以後,数多くの中枢作用薬が開発され,精神疾患をはじめとする神経系障害の治療に革命的な発展がもたらされてきたが,そのうちの多くの薬剤に依存性が認められ,依存性薬物対策が重要課題となってきた。その代表が向精神薬であり,それらの乱用が諸外国で公衆衛生上及び社会上の大問題となっている。
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