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研究と報告
拘禁状況において憑依状態を呈した2症例
著者: 村田浩1 糸井孝吉2
所属機関: 1佐賀医科大学精神医学教室 2城野医療刑務所
ページ範囲:P.279 - P.284
文献購入ページに移動 抄録 最近私達は,憑依状態を呈した,拘禁反応の症例を2例経験したので報告し,その特徴について考察を加える。
症例1は,殺人を犯すという追い詰められた状況で発病しており,憑依状態は,困難な現実からの一時回避という傾向が,強く認められた。症例2は,幻聴による苦悶状態が長期間続いた後,突然憑依状態に移行した症例である。憑依状態は,葛藤状況を解消するための手段,という側面が強いと思われた。
症例1は,殺人を犯すという追い詰められた状況で発病しており,憑依状態は,困難な現実からの一時回避という傾向が,強く認められた。症例2は,幻聴による苦悶状態が長期間続いた後,突然憑依状態に移行した症例である。憑依状態は,葛藤状況を解消するための手段,という側面が強いと思われた。
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