文献詳細
研究と報告
文献概要
抄録 最近私達は,憑依状態を呈した,拘禁反応の症例を2例経験したので報告し,その特徴について考察を加える。
症例1は,殺人を犯すという追い詰められた状況で発病しており,憑依状態は,困難な現実からの一時回避という傾向が,強く認められた。症例2は,幻聴による苦悶状態が長期間続いた後,突然憑依状態に移行した症例である。憑依状態は,葛藤状況を解消するための手段,という側面が強いと思われた。
症例1は,殺人を犯すという追い詰められた状況で発病しており,憑依状態は,困難な現実からの一時回避という傾向が,強く認められた。症例2は,幻聴による苦悶状態が長期間続いた後,突然憑依状態に移行した症例である。憑依状態は,葛藤状況を解消するための手段,という側面が強いと思われた。
掲載誌情報