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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻3号

1989年03月発行

文献概要

研究と報告

長期経過中に混合性結合組織病を呈した精神分裂病の1例

著者: 浅見隆康1 丹野ひろみ1 中安信夫1 町山幸輝1 石川治2

所属機関: 1群馬大学医学部神経精神医学教室 2群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.291 - P.295

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 抄録 症例は36歳の女性。29歳で緊張型精神分裂病に罹患し,3回の入院歴がある。34歳で混合性結合組織病(MCTD)に罹患,皮膚科入院し,抗精神病薬・ステロイド剤服用中,軽度の意識障害を基盤とする躁状態を呈し,精神神経科へ転科した。躁状態はクロルプロマジンの大量投与にもかかわらずMCTDの身体症状と平行して推移し,5カ月で消退した。2カ月後には反応性と考えられるうつ状態(持続3.5カ月,クロルプロマジン+スルピリド)がみられた。本症例の躁状態が,既往の精神分裂病の再燃や治療に用いられたステロイド剤によるものである可能性について検討し,MCTD自体によるものであると結論した。また,既往の精神分裂病の病像がMCTDの身体症状に先行するものである可能性についても考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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