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研究と報告
向精神薬服用中の女子精神疾患患者の出産について
著者: 田中雄三1 土屋均1 浜崎豊1 挾間秀文1 梅沢要一2 宮本慶一2 松田明子2 有田茂夫2 小村文明2 西田政弘3 松下棟治4 土井清5
所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室 2島根県立湖陵病院 3松江赤十字病院精神科 4山陰労災病院神経科 5国立療養所鳥取病院
ページ範囲:P.297 - P.306
文献購入ページに移動1)精神分裂病圏の10名は,計16回の出産をし,妊娠期間中少量〜中等量の抗精神病薬を服用していたが,児16名に奇形を認めなかった。また,1名を除いて全例満期産であり,低体重児は認めなかった。全例とも現在のところ心身の発達は正常である。2)躁うつ病圏の3名は各々1回の出産をし,妊娠期間中少量〜中等量の三環系抗うつ薬を服用していた。児3名中1名に出生後けいれん発作と両側耳介折れ耳を認めたが,以後の心身の発達は正常であった。全例満期産であり低体重児はいなかった。3名とも心身の発達は正常であった。3)神経症圏の4名は計6回の出産をし,妊娠期間中少量〜中等量の抗不安薬を服用していた。全例に奇形はなく,満期産で低体重児はいなかった。アプガールスコアは,やや低値を示したが,以後の心身の発達は正常であった。
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