icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻3号

1989年03月発行

文献概要

研究と報告

向精神薬服用中の女子精神疾患患者の出産について

著者: 田中雄三1 土屋均1 浜崎豊1 挾間秀文1 梅沢要一2 宮本慶一2 松田明子2 有田茂夫2 小村文明2 西田政弘3 松下棟治4 土井清5

所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室 2島根県立湖陵病院 3松江赤十字病院精神科 4山陰労災病院神経科 5国立療養所鳥取病院

ページ範囲:P.297 - P.306

文献購入ページに移動
 抄録 向精神薬服用中の女子精神疾患患者の出産について自家例を中心に検討した。対象は,精神分裂病圏10名(児16名),躁うつ病圏3名(児3名),神経症圏4名(児6名),計17名(児の総数25名)である。
 1)精神分裂病圏の10名は,計16回の出産をし,妊娠期間中少量〜中等量の抗精神病薬を服用していたが,児16名に奇形を認めなかった。また,1名を除いて全例満期産であり,低体重児は認めなかった。全例とも現在のところ心身の発達は正常である。2)躁うつ病圏の3名は各々1回の出産をし,妊娠期間中少量〜中等量の三環系抗うつ薬を服用していた。児3名中1名に出生後けいれん発作と両側耳介折れ耳を認めたが,以後の心身の発達は正常であった。全例満期産であり低体重児はいなかった。3名とも心身の発達は正常であった。3)神経症圏の4名は計6回の出産をし,妊娠期間中少量〜中等量の抗不安薬を服用していた。全例に奇形はなく,満期産で低体重児はいなかった。アプガールスコアは,やや低値を示したが,以後の心身の発達は正常であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?