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短報
シンナー・覚醒剤の複合フラッシュバックによる殺人未遂の1例
著者: 小林一弘1 大原健士郎1 大原浩一1
所属機関: 1浜松医大精神神経科学教室
ページ範囲:P.315 - P.317
文献購入ページに移動I.はじめに
古くから,催幻覚薬,例えばLSD,cannabisなどは,薬物摂取中止後に無症状期を経て,薬物摂取時と類似した現象に陥ることが知られており,flashback phenomenon(以下フラッシュバックとする)と言われている。近年では,穏和幻覚剤に分類される有機溶剤や精神刺激剤に分類される覚醒剤でも同様な現象が認められたという報告が多い。今回,我々はシンナーおよび覚醒剤の乱用歴があり,幻覚妄想状態で殺人未遂を犯した1例を経験したので,薬物依存症およびフラッシュバックという観点から検討を加え,犯罪との関連にも多少言及した。
古くから,催幻覚薬,例えばLSD,cannabisなどは,薬物摂取中止後に無症状期を経て,薬物摂取時と類似した現象に陥ることが知られており,flashback phenomenon(以下フラッシュバックとする)と言われている。近年では,穏和幻覚剤に分類される有機溶剤や精神刺激剤に分類される覚醒剤でも同様な現象が認められたという報告が多い。今回,我々はシンナーおよび覚醒剤の乱用歴があり,幻覚妄想状態で殺人未遂を犯した1例を経験したので,薬物依存症およびフラッシュバックという観点から検討を加え,犯罪との関連にも多少言及した。
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