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研究と報告
痴呆患者にみられる躁うつ病様状態について
著者: 三山𠮷夫1
所属機関: 1宮崎医科大学
ページ範囲:P.353 - P.362
文献購入ページに移動 抄録 脳血管型痴呆5例と変性型痴呆5例の経過中にみられた躁うつ病様状態について報告した。精神症状は内因性躁うつ病のそれと変わらないが,全体的に軽症で抑うつ状態時には不安,焦燥感が強い割には悲哀感情が乏しく,軽躁状態時には爽快感情の乏しい傾向がみられた。躁うつ病様状態は,病初期で痴呆が軽度〜中等度の時期にみられ,痴呆が高度になったり発症して長年月が経つと病相がくずれたり,消失する傾向がみられた。抗うつ剤による抑うつ状態の治療では,脳血管型痴呆の症例には有効例が多く,変性型痴呆の症例には無効例が多かった。脳血管型痴呆2例と変性型痴呆4例の抑うつ状態時にデキサメサゾン抑制試験を施行したが,全例が抑制型を示した。
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