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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻4号

1989年04月発行

研究と報告

慢性透析患者における睡眠障害—303名のアンケート調査に基づいた不眠についての検討

著者: 安間文彦1 岡田保2

所属機関: 1名古屋大学第1内科 2名古屋大学医療短大部医学部精神医学教室

ページ範囲:P.379 - P.383

文献概要

 抄録 成人の慢性外来透析患者303例を対象として,不眠についてのアンケート調査を施行した。不眠を早朝覚醒,入眠困難,再入眠困難を伴う中途覚醒のいずれかひとつを訴えた場合と定義すると,透析施行前夜の不眠の発症率は,男性で56.5%,女性で63.5%となった。この発症率は加齢により有意な増加が認められたが,性差および透析継続期間による差異は認められなかった。調査後半の181例において,入眠障害は39.2%に,中途覚醒は50.2%に認められたが,これらのうち痛感,皮膚掻痒感,じっとしておれないとの慢性透析の合併症に起因すると考えられる場合が,入眠障害および中途覚醒を訴えた患者の,それぞれ38.0,39.1%に認められた。リエゾン精神医学の中でも,透析患者の睡眠障害に関する調査はほとんどなされておらず,今後の検討が望まれるところである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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