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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻4号

1989年04月発行

研究と報告

過食症(Bulimia)と精神分裂病の両症状を呈した1症例

著者: 村木彰13 酒木保2 原岡陽一1 小野正宏1 塚本隆三1

所属機関: 1市立旭川病院精神神経科 2旭川医科大学保健管理センター 3北海道大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.401 - P.407

文献概要

 抄録 過食症と精神分裂病の両症状を呈した1症例について検討を加えた。本症例では,24歳より頻回の過食・嘔吐が出現し,30歳で分裂病を発病している。分裂病の合併後は,病的体験の強い時期や適切な薬物治療が行われていない時期には,過食あるいは不食の状態を呈し,分裂病の精神症状が改善すると食行動異常も軽快する傾向が認められた。さらに,分裂病による人格水準の低下が,過食症本来の精神症状に影響を及ぼしている可能性も考えられた。現在のところ過食症と分裂病の関係について論及した報告はみられず,この種の症例の研究は,摂食障害さらには分裂病についての理解を深める上で貴重であると考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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