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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻4号

1989年04月発行

文献概要

研究と報告

多彩な精神症状を呈したKlinefelter症候群の1臨床例

著者: 花田進1 峯崎恭彰2 三田達雄3

所属機関: 1湊川病院 2藍野病院 3神戸大学医学部精神神経科学教室

ページ範囲:P.409 - P.414

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 抄録 泌尿器科でKlinefelter症候群と診断された10年後(33歳時)より昏迷,幻覚妄想状態,精神運動興奮,精神運動抑制,抑うつ気分など多彩な精神症状を4年問にわたり繰り返している1例を報告した。身体的には高身長で,一次および二次性徴の発現不全がみられた。染色体は47, XXY核型であり,内分泌所見では血中テストステロンの低値,血中FSH,LH,尿中HCGの高値が特徴であった。総IQは77で,言語性IQ(86)に比して動作性IQ(69)が低値を示した。不妊および内分泌障害を指摘されたことによる心理的衝撃,性に関する劣等感,内分泌障害,過剰なX染色体の脳細胞機能に対する慢性器質的な影響などが症状形成に複雑に関与していると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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