文献詳細
短報
文献概要
I.はじめに
Alzheimer病(以下ADと略す)の大部分では家族歴がなく,一般にAD全体としては遺伝性の関与は少ないとされている1,2,5。しかし,例えば,ADの60%には家族歴が全くない4,9)としても,残る40%にはあるとすれば少ないとは言えないような印象も受ける。ただ,これに答えるべき広範で詳細な疫学的資料は,方法論的に困難が多いため少ないのが現状のようである7)。
一方,数は少ないが,発病年齢の早くて,重症で,遺伝性が強く2,4,15),常染色体性優性遺伝の形式を示す家系が報告されている。その数は50家系以上と表現されている1)。本邦では,14例の家族性AD(以下FADと略す)が報告され,そのうち6例がこれに相当すると思われる。
Alzheimer病(以下ADと略す)の大部分では家族歴がなく,一般にAD全体としては遺伝性の関与は少ないとされている1,2,5。しかし,例えば,ADの60%には家族歴が全くない4,9)としても,残る40%にはあるとすれば少ないとは言えないような印象も受ける。ただ,これに答えるべき広範で詳細な疫学的資料は,方法論的に困難が多いため少ないのが現状のようである7)。
一方,数は少ないが,発病年齢の早くて,重症で,遺伝性が強く2,4,15),常染色体性優性遺伝の形式を示す家系が報告されている。その数は50家系以上と表現されている1)。本邦では,14例の家族性AD(以下FADと略す)が報告され,そのうち6例がこれに相当すると思われる。
掲載誌情報