文献詳細
文献概要
研究と報告
入院森田療法中の危機と克服—2専門施設の比較
著者: 立松一徳1 北西憲二1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学精神医学教室
ページ範囲:P.459 - P.465
文献購入ページに移動その結果,両施設の間で軽作業期以降の危機とその克服の様相に顕著な相違を認めた。すなわち,慈恵医大においては,危機の内容として他患との対人的葛藤が中心となり,その克服には患者の内的な自己処理と共に治療者の因子が重要となることが多い。一方,鈴木診療所においては,作業を巡る葛藤が主となり,その克服に治療者が直接関与することは極めて少ない。この相違が,両施設の治療構造の差に基づくものであることを述べた。
掲載誌情報