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抄録 急性精神病からの回復過程で生じる,Postpsychotic depressionなどといわれるエネルギー水準の低下した状態の中から,抗精神病薬の副作用によると考えられる症例を取り出して検討した。その中で,ここで抗精神病薬による「亜急性抑うつ反応」と呼んだ,以下のような特徴を持つ,薬物の副作用による抑うつ気分の存在を示した。その特徴は①抑うつ気分に対する苦痛が強く,不安・寂しさを伴う。②この抑うつ気分は,抗精神病薬の投与開始後1〜3カ月目に,軽躁的状態にひき続いて,急激に生じる。③パーキンソン症状を中心とする錐体外路症状を伴う。④この錐体外路症状も,投与開始後1〜3カ月目に,錐体外路症状のほとんど認められない時期のあとに,急激に生じる。⑤これらの症状は抗精神病薬の中止や減量ですみやかに消失する。さらに,この亜急性抑うつ反応の症状を検討するとともに,他の成因によるPostpsychotic depressionとの鑑別についても論じた。
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