icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻5号

1989年05月発行

文献概要

研究と報告

親子に出現したspike-wave stupor

著者: 小畑信彦1 和田成治1 菱川泰夫1 湊浩一郎2 稲庭毅2 矢幅義男3

所属機関: 1秋田大学医学部精神科学教室 2市立秋田総合病院神経科精神科 3中通病院神経精神科

ページ範囲:P.527 - P.534

文献購入ページに移動
 抄録 62歳の母と39歳の娘に類似の臨床症状と脳波所見を示すspike-wave stuporが出現した。両症例ともspike-wave stuporは30代後半に初発したものであり,1回の「発作」は2〜3日続き,極期にはほぼ無言無動となり,その間,脳波上は3Hz前後の棘徐波複合の連続が認められ,発作間欠期脳波では右前頭に限局する突発性徐波が出現するなどの類似点があった。
 娘には中等度の精神薄弱があり,学童期に初発したけいれん発作を合併しており,「発作」後にしばしば被害的内容の幻覚・妄想がみられた。母は普通の知能を持ち,他のてんかん発作を持たず,幻覚・妄想を伴っていなかった。娘では頭部CTによって著明な小脳萎縮が見いだされたが,母のCT検査では異常所見は見いだされなかった。母ではバルプロ酸によりspike-wave stuporが完全に抑制されたが,娘では有効薬剤は明らかにならなかった。これらが両者の相違点であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら