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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻5号

1989年05月発行

文献概要

短報

銀杏中毒

著者: 野本文幸1 久保田文雄1

所属機関: 1群馬大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.535 - P.538

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I.はじめに
 銀杏中毒は,銀杏が東洋に分布することによるためであろう,本邦・中国・台湾での記述6,7,10)をみるのみである。患者は小児が多く,本邦の報告1〜5,8,9,11,15,18,19,21〜23,25〜27,29)では44例中10例(23%)が不幸にして死亡している。報告例は重症例が中心であろうから,高い死亡率は当然と考えられるが,それにしても看過できない数値である。
 近年,古来からの伝承「銀杏は食べ過ぎに注意すべき」との言葉も言い伝えられなくなってきた。これは一般人においても,小児やけいれんを対象に診療している精神科医にとっても問題であろうし,また,精神科救急診療の際にも心得ておくべき事柄である。しかし,銀杏中毒については周知徹底が不足しているのが現状であろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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