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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻5号

1989年05月発行

文献概要

短報

Neuro-Behçet症候群における髄液中Bradykininの検討

著者: 佐藤譲1 千葉茂1 福嶋隆一1 猪俣光孝1 宮岸勉1

所属機関: 1旭川医科大学医学部精神医学講座

ページ範囲:P.539 - P.541

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I.はじめに
 bradykinin(BK)は,炎症局所において過剰に産生されるchemical mediatorであり,末梢血管拡張,毛細血管透過性亢進,および疼痛惹起などの薬理作用を有するペプチドで,正常の血漿および髄液中には微量のBKが存在することが知られている1,4)
 BKの産生機序は,血液凝固系の反応と密接に関連しており,凝固第【Ⅻ】因子の活性化で生じたKallikreinが,KininogenからBKを遊離させることによって生成される。一方,産生されたBKは,分解酵素であるKininaseによって速やかに不活化されることが知られている1)。近年,BKの生成と分解に関与する酵素に対する阻害剤(EDTA,1-10-phenanthroline,Trasylol®,sogbean trypsin inhibitor,polybrene)を用いることによって,より正確なBKの測定が可能となり6),いくつかの病態の血漿中や髄液中のBK値が検討されるようになった2〜4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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