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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻5号

1989年05月発行

文献概要

古典紹介

Richard Asher:Munchausen's Syndrome ミュンヒハウゼン症候群

著者: 加藤佳彦1 飯田眞1

所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.543 - P.551

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 ほとんどの医者が出会っているにもかかわらず,それに関してほとんど記載されたことのないありふれた症候群についてここに述べる。この病気に冒された人は,あたかもあの有名なMunchausen男爵のように常に広範囲にわたっって旅行し,そしてその患者の話は男爵の話のようにドラマチックでありまた偽りでもある。それ故にこの症候群は男爵にちなんで名付けられ,彼に献呈されるものである。
 この症候群の患者は,もっともらしくそして劇的な話を伴い,明らかな急性疾患により入院する。けれども普通この患者の話は大部分が虚偽で作り上げられており,更に彼が驚くほど多くの他の病院を訪れ,だましたかが明らかになる。そして彼はほとんどいつも医師と看護婦に激しく苦情を呈した後,助言に反して退院するのである。この状態にとりわけ特徴的な点は,非常に多数の腹部の瘢痕である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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