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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻6号

1989年06月発行

特集 現代社会と家族—諸病態との関連から

現代の家族とうつ病

著者: 佐藤哲哉1

所属機関: 1新潟大学精神医学教室

ページ範囲:P.633 - P.641

文献概要

I.はじめに
 うつ病と家族の問題を考える場合,おおむね2つの論点が指摘できよう。
 1つは,うつ病の発病状況に関与する家族,あるいはprecipitating factorとしての家族である。Paykel38)も,彼のlife event研究の中で,夫婦間の論争の増加,離婚という家族の問題をうつ病の発病状況として第一にあげている。近年わが国では,中年男性のうつ病が激増している。また,中年期の離婚率が最近の10年ほどで倍増している。もちろん,わが国では離婚がうつ病の直接の契機となる場合は少ない印象を受けるが,今日の中年期における夫婦や家族が大きく変貌しつつあり,このことが中年期のうつ病の増加に直接間接に影響していることは,十分に考えうることである。これを通して,今日の家族の抱える問題へと光をあてることもできよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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