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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻6号

1989年06月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病の脳のCTと利き手—脳の形態と側性との関係から

著者: 広瀬克紀1 三上昭広2 前原勝矢1 飯塚礼二1

所属機関: 1順天堂大学医学部精神神神経科 2医療法人渡辺病院

ページ範囲:P.661 - P.667

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 抄録 98例の精神分裂病者と90例の健常者の頭部CTを利き手と年齢の二つの観点より検討した。詳細な解剖学的な検討を行うために加算平均によるCT画像の再合成を行い分裂病者の脳の局所的変化についても検討を加えた。
 分裂病者では進行性の脳萎縮と側脳室の拡大が認められ,40歳代以後では健常者と比して有意な差を生じた。この変化は右半球よりも左半球に強く,特に側脳室の後部の拡大が著しい。また,この変化は非右手利きの分裂病者でより著しいが非右手利きの頻度は年齢の等しい健常者に比して有意に上回っている。このことから,分裂病の脳の形態的異常と側性の障害は,同一病理の異なる側面との考えも否定できない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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